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交通事故 裁判例・解説

交通事故 裁判例・解説- 休車損害・代車費用 -

大阪地裁 令和5年5月28日判決

原告ワイドロングウイング冷凍車が被告貨物車に衝突された修理期間を約3ヶ月間認め、代車として同仕様冷凍車を賃借する必要性があったとし日額3万8000円・代車費用約355万円を認定した

解説

【事案の概要】

原告会社は、原告会社従業員がワイドロングウイング冷凍車を駐車区画に駐車させ積荷を搬出していたところ、被告運転の中型貨物車が隣の駐車区画に停車するため後退してきて衝突され、原告車が損傷したとして、物的損害等約400万円を求めて訴えを提起した事案です(自保ジャーナル2157号160頁)。

裁判所は、原告車両の修理期間を約3ヶ月間と認め、代車としてワイドロングウイング冷凍車を賃借する必要性があったとし、日額3万8000円で代車費用を認定しました(確定)。

【裁判所の判断】

裁判所は、原告会社の修理期間につき、被告は、(1)原告車両がC会社に入庫してからD会社が部品の注文をするまでに16日間を要していること、(2)2週間程度で取り寄せることができる部品を取り寄せるために1ヶ月を要していること、(3)D会社に部品が届いてから修理に着工するまでに20日以上を要していることを指摘する」が、「(1)及び(3)については、原告車両が予期することのできない交通事故に遭い、原告が急きょ原告車両の修理を業者に依頼することを余儀なくされたこと、及び、原告車両がワイドロングウイング冷凍車という特殊な車両であったことを踏まえると、原告が原告車両の修理費用の見積書を確認した上で正式に修理の依頼をするかどうかを決めるための期間及び実際に原告車両の修理をするD会社において原告車両の修理のための部品を注文するまでの期間として合計日を要したこと、並びに、原告車両をD会社に入庫させ修理するための日程調整に時間を要し、D会社に必要な部品が届いてから修理に着工するまでに20日を要したことは、相当と認められる」他、「(2)については、2週間程度で取り寄せることができる部品を取り寄せるのに1ヶ月を要したと認めるに足りる証拠はない」ことから、「原告車両の修理のために令和2年2月6日まで要したことは相当と認められる」として、約3ヶ月間の修理期間を認定しました。

代車費用につき、代車の賃料については、「(1)原告車両がワイドロングウイング冷凍車であり、原告が原告車両の代車としてワイドロングウイング冷凍車を賃借したこと、(2)原告車両が、本件物流センターに限らず、公設市場間の荷物の運搬をしており、公設市場においては、荷物の積卸しのための時間を大幅に短縮することができるウイングタイプの車両が好まれており、また、原告が得られる収益もウイングタイプの車両の方が大きかったことが認められる」ことから、「原告が原告車両の代車としてワイドロングウイング冷凍車を賃貸する必要性があったと認められる」他、「ワイドロングウイング冷凍車の賃料として、日額3万8000円は相当と認められる」として、「原告が負担した原告車両の代車料合計355万3000円は、本件事故と相当因果関係のある損害と認められる」と修理期間85日につきに日額3万8000円で代車費用を認定しました。

【ポイント】

運送会社の車両が交通事故にあった場合、休車損害、代車費用、庸車費用が争点となることがあります。

事案の性質上、損害額が大きくなるため、保険会社が認定せずに裁判に至るケースも少なくありません。

運送会社の代車費用が争われた事例として、大阪地裁令和2年2月27日判決(自保ジャーナル2071号)は、Xタンクローリーの代車使用料につき、X車が特殊トラックであって、中古車市場において取引するのが困難であり、買替えをする場合にも相応の時間を要すると認められる等から、代車の必要性が認められる期間としては本件事故日の平成30年1月24日から平成30年3月末日まで認定し、賃料合計249万4800円を代車使用料と認定しています。

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