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貸金・借金・債権回収

多い貸金トラブル

古賀克重法律事務所 貸金・借金・債権回収

友人に貸したお金を返してくれない、結婚を前提に彼氏に貸したけど無視される、取引先が売掛金を支払わない・・・このような貸金・未払い金は法律相談でとても多い類型になります。

紛争の原因としては、人的関係から借用書など必要な資料を取っていなかった場合が少なくありません。

もちろん借用書がなくても法的に請求は可能です。ただ裁判などになると、「あなたが友人に対して100万円を貸したこと」、「友人があなたに返還の約束をしていたこと」を主張して、立証していくことが必要になるのです。

証拠1~金銭の授受

貸金請求していくためには、まず、「あなたが金銭を渡した事実(金銭の授受)」を証明しないといけません。

振込の場合は、通常、通帳・振込金明細があれば十分になります。

一方、現金を手渡したような場合には、相手が受領したことを認めれば問題ありませんが、受領さえ否定されることがあります。

その場合にはラインやメールのやり取り、貸し付ける原資をどのように用意したか、二人が会っていたか、相手が受け取りを前提とした行動をしているか等によって立証していくことになります。

証拠2~返還の合意

次に、金銭を渡した事実(金銭の授受)を証明できたとしても、返還の合意がなければ、返還を求めることはできません。

つまり、「返還の約束をしていたこと」もあなたが証明する必要があるのです。

例えば、相手方が、「投資で預かったもので返還の約束はなかった」、「贈与でもらったものだ」、「お小遣いとしてもらった」、「パパ活のお金にすぎない」などと争うことも良くあります。

その場合には、ラインやメールのやり取り(「いつ返してくれる」「早く返してほしい」「もう少し待ってほしい、必ず返すから」)、当時返還を督促していた事実などで立証していく必要がでてきます。

法律相談を受けた弁護士があなたに「借用書はありますか」とまず尋ねる理由がお分かりになったでしょうか。借用書があれば、通常、借用書には「金銭の授受」「返還の合意」が記載されているからです。もちろん借用書がなくとも金銭消費貸借契約自体は成立しえます。しかしその場合には、貸したと主張するあなたが、様々な資料・事実経過に基づいて、立証する必要が出てくるのです。

解決方法1~内容証明郵便

まずは内容証明郵便に基づいて返還請求をすることが考えられます。

ご自分で提出することも可能ですが、そもそも「支払ってくれない」という状態ですからご自分で提出しても無視されてしまうということが少ないでしょう。

その場合は弁護士に依頼して差し出すことによって即座に解決するケースもあります。

旧弁護士報酬規定では内容証明郵便の弁護士手数料は5万円とされています。ただし請求金額や経済状況によっては2~3万円程度の手数料で可能な場合もありますのでまずはご相談下さい。

解決方法2~訴訟

内容証明郵便を差し出しても返還請求・支払請求に応じない場合には裁判を起こすことになります。裁判所で話し合いを行う「調停」という選択肢もありますが、任意の支払いに応じない場合ですので、訴訟に移行した方が費用的にも時間的にも節約できることが多いと思われます。

まず、友人が100万円を受領したことを否認している場合は、あなたがどこから資金を用意したのか(通帳や保険の解約を証する資料など)、友人にお金を借りる動機があったのか(借金返済に追われている、資格試験の申し込みをする必要があった、借家の敷金を収める必要があったなど)、あなたと友人の関係(お金の貸し借りをするような仲か、過去にも貸したことがあるかなど)など、いわゆる様々な事情(間接事実)積み重ねて、「100万円を渡したこと」を立証する必要があります。

また、100万円を受領したことを認めても、「もらったものである(贈与)」とか「借金を返してもらったものである(返済)」など、あなたと友人の間に返還約束があることを否認することもあります。その場合は、あなたと友人との具体的なやりとりを主張することによって、返還約束を立証することも求められます。

いずれにしろ訴訟に至る場合には弁護士をつけてきちんと立証する必要が出てくるでしょう。

解決方法3~強制執行

裁判の中で話し合いが付いて和解して貸金・売掛金が支払われることが多いでしょう。

裁判の判決が出ても任意に支払わない場合には、給与・財産等を強制執行する必要も出てきます。

※注意点~消滅時効

なお貸金・債権回収において注意すべきことがあります。それは消滅時効といって請求しないうちに請求できなくなることです。

時効は10年(会社などであれば5年)ですので、「友人とは仲が良いから大丈夫」「昔からの付き合いだから信頼している」と油断していると請求できなくなることもありますので注意が必要になります。

貸金・債権回収の実績

実績1兄弟間の貸金について訴訟したケース

兄弟間の貸金について福岡地方裁判所に訴訟を起こして解決したケースをご紹介します。ご相談を受けたのは弟さんです。お兄さんを信頼して借用書なしで500万円を貸し付けていましたが、親の死亡による相続問題とからめて仲が一気に悪化。事業を行っていたお兄さんは「借りたものではなく投資してもらった」とか「500万円全額は受け取っていない」と主張しました。

借用書がないばかりか、500万円も振込ではなく複数回にわたって手渡していたもの。

そこで500万円の資金繰り、前後の行動などを丁寧に立証した結果、無事、全額の支払いをする旨の和解が成立しました。お兄さんは頑なに全否定していましたが、細やかに立証することで裁判所の心証は揺るがないものになり、裁判所からの強い説得もあり解決に至ったものです。

このように感情がもつれたケースだからこそ、法的に丁寧に積み上げていき、まずは裁判官を説得し、解決へのルートを確かなものにする必要があるわけです。

実績2女性が男性に貸付ていたケース

女性が交際していた男性に300万円を貸し付けていたケースをご紹介しましょう。

女性が古賀克重法律事務所の無料法律相談に飛び込んで来られた時には、既に交際が終了した後。「電話連絡は付くけどはぐらかして返してくれません」ということでした。手書きの借用書は遺されており、また7回に渡って70万円は返済されていました。つまり、「300万円を貸したこと」、「返還の約束をしていたこと」は、立証できるケースでした。

ただ男性は無職で、両親が所有していた不動産の賃料収入で生活していました。不動産名義は両親のままでしたが、いずれにしろ複数の金融機関による抵当権が設定されていました。そこでまずは賃料収入を仮差押えすることにしました。

仮差押えというのは、前述の「解決方法3~強制執行」とは違い、裁判を起こして判決を取るまえに、まさに仮の処分として行うものになります。

福岡地方裁判所に債権仮差押命令申立を起こして、仮差押決定を得たところ、男性が譲歩を見せて一括支払いに応じてきて解決しました。

実績3男性が女性に貸付ていたケース

独身の年配の男性が若い女性に渡していた金銭の趣旨が問題になったケースです。

女性は夜の接待を伴う飲食店に勤務していました。飲食店で知り合った男性は、「交際しましょう」「店がひと段落したらいずれ一緒になりましょう」という女性の言葉を信じて、長年に渡って、金銭を渡し続けてきました。その総額は1000万円を超える高額になっていました。

ところが、男性が女性の匿名のインスタグラムを偶然見つけ、女性が若い男性と交際していることを知るに至って相談に来訪しました。

私が委任を受けて、まず女性に対して、内容証明郵便及び電話にて返済を督促しました。

しかし女性が返済する姿勢を見せないため、訴訟を提起しました。

手渡した金銭は複数回に渡り、手渡しと振込が混在していました。女性は振り込まれた金額自体は受領したことを認めましたが、手渡しの金員については受領さえ否認しました。そこで、日付・金額・場所等をまとめた詳細な一覧表を作成して整理しました。

また女性が金銭を求めた理由も、「生活費」「事業資金」「兄弟が騙された」など多岐に渡っていましたので、時系列に基づいて陳述書を作成するのも一苦労でした。

訴訟は長期化しましたが、裁判所が粘り強く争点整理を続け、裁判所和解案を経て、無事、和解成立に至りました。

本件のような男女関係にまつわる金銭の趣旨は激しく争われます。事案によっては請求が認められにくいケースも少なくありません。十分に事案を整理して見通しをふまえて手続きを選択する必要があるでしょう。

このように場合によっては仮処分によって迅速な一気解決を図れる場合もあります。

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