ラブスタ法律相談所【第15回】 急増する男女トラブル?!
福岡のFMラジオ局「LOVE FM」の、人気番組「TENJIN UNITED」。その番組内に毎月第2・第4火曜日の12:20頃~「ラブスタ法律相談所」という、弁護士が様々な悩みに回答するコーナーがあります。
弁護士古賀克重が生出演して、よくある相談について回答しています。【第1回】【第2回】【第3回】【第5回】【第7回】【第9回】【第12回】【第13回】 はこちら。
TENJIN UNITEDのブログでも紹介頂いていますので、以下転載します。
古賀弁護士の法律事務所は医療ミスや交通事故がご専門ですが、その他に最近増えている相談内容があるそうです!
どの様な内容なんでしょう!古賀弁護士にお話しを伺います。
Q.最近増えている法律相談はありますか?
A.離婚、男女関係トラブルが急激に増えていますね。
Q.増えている原因って何かあるのでしょうか?
A.離婚や男女関係のトラブルは昔から多かったんですが、ネット社会になって解決事例を目にすることに比例して、自分も弁護士に相談しよう、という方が増えているようです。
なるほどー!それでは今日は“男女関係トラブル”をテーマに色々と教えて頂きたいと思います!
Q.男女関係トラブルというとどういう相談が多いですか?
A.いわゆる不倫に発したトラブルが多いです。配偶者に浮気をされた方が、浮気相手に損害賠償請求をするわけです。先日、知り合いの裁判官と雑談した時も、最近は不貞、つまり不倫に基づく損害賠償請求が目に見えて増えている、という印象を話していました。
Q.そうなんですね。。。このような場合、いくら位請求できるんですか?
A.裁判例としては、80万円から150万円前後が多いです。私がアドバイスする時はもう少し絞り込んで「120~130万円が中央値です」とアドバイスしています。あとは、家族関係が崩壊したか、離婚まで進んでいるか、不倫関係がどの程度の頻度・期間であったか等によって微妙に差が出てきます。
Q.ちなみに“不倫”って一言で言っても、証明が難しくありませんか?
A.はい。そこがポイントなんです。
「夫が不倫している。間違いありません!」と駆け込んでくる相談者は多いんですが、良く聞くと証拠は「妻の直感」だけということも少なくありません。携帯、ライン、メールのやりとりなどで証拠を掴んで、弁護士に相談する前に家族会議で認めさせておく、というのが大事です。その上で、不倫相手に請求しないと否定されて証明できないということになります。
Q.離婚の相談は傾向がありますか?
A.離婚するためには、民法上、「婚姻を継続しがたい重大な事由」が必要とされています。ところが、明白な離婚原因がないけれども、離婚を希望するというケースが増えています。「一度の人生だから早めにやり直したい」と割り切る方が多くなっているように感じます。
Q.ちなみに、さきほどの不倫は一発で離婚原因でしょう?
A.いえ、そうとは言えないんですよ・・たった1回の性交渉でも不倫は不倫。いわゆる不貞行為に該当します。ですが、「婚姻を継続しがたい重大な事由」の判断は、不貞が長期間か、家庭を顧みないか等様々な事情を考慮した総合判断です。ですから裁判例の中でも、2か月間不貞行為があったケースについて、不貞は離婚原因として認めなかったものもあります。
Q.でも一回の過ちでも許せない!絶対別れたいという方も多いと思うんですが・・・
A.弁護士のテクニックですが、そういう場合は他の様々な離婚原因を合わせ主張します。金銭問題、実家との関係、暴言・・総合的に継続しがたい重大な事由があると主張するわけです。先ほどの2か月間の不貞を離婚原因として認めなかった裁判例も、他の色々な原因から結論としては離婚を認めています。
Q.離婚の話し合いが上手くいかないと離婚調停に進むんですね。調停ではどういうことを決めていくんですか?
A.離婚原因の有無、子どもの親権、養育費の額、そして財産分与や慰謝料について集中的に話し合います。
Q.離婚の話し合いが上手くいかないと離婚調停に進むんですね。調停ではどういうことを決めていくんですか?
A.そんなことはないです。財産分与は預貯金・株式というプラス財産ばかりでなく、借金というマイナス財産も対象です。例えばまだ残っている住宅ローンをどうするかもあります。夫の勤務する会社に退職金制度がある場合は、将来の退職金について、婚姻期間に比例した請求も可能です。
Q.例えば夫が浮気をした場合、慰謝料は必ず妻から夫に請求できるんですよね?
A.そうとは限りません。裁判例の中には、離婚の原因は双方にあると判断して、慰謝料請求を認めなかったものもあります。場合によっては、夫から妻に対する慰謝料請求が認められることもあります。慰謝料額は、離婚の責任はどちらにあるか、精神的苦痛の程度、婚姻期間、当事者の社会的地位、小さな子ども有無などによって決まってきますから、0円から数百万円まで幅があるということになるんです。
Q.色々問題が出てくるんですね・・そんな離婚調停はやはり難航するんでしょうか?
A.はい。様々な論点の整理に加えて、結婚生活を通じて相手方に失望し、裏切られたという思いを抱いている方が多いため難航します。ただ私はいつもお話しするのですが、「相手を信じて結婚したのはご自分の責任、離婚する時もご自分で前向きに決断していくことが大事です」。財産分与・慰謝料・養育費、それらについて適正額、ゴールが見えてきたら、やはりどこかで決断して新しい人生に目を向けることが大事です。その再出発のお手伝いをするのが弁護士になるわけです。
出来る限り当事者にはなりたくないものです。。。
もしもの時は1人で迷わず弁護士に相談し、新しい道を歩んでいきたいものですね!
今日も詳しい説明をありがとうございます!
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