日本肝臓学会がC型肝炎治療ガイドライン改訂第5版を公表
日本肝臓学会が12月7日、C型肝炎治療ガイドラインの改訂第5版(5・2版)を公表しました。
ゲノタイプ1型に対するエルバスビル+グラゾプレビル併用療法臨床試験の結果が追加されています(48頁)。
これによると、ゲノタイプ 1 型の C 型慢性肝炎・代償性肝硬変に対するエルバスビル+グラゾプレビル12週併用療法の SVR 率は高く、国内第3相試験では、96・5~97・1%と報告されています。
副作用としては、国内第3相試験でグレード3以上の AST・ALT 増加が6例発生しています。6例中5例は投与開始8週以降で発現していました。
なお非代償性肝硬変を対象とした臨床試験は行われておらず、安全性も確認されていないため、非代償性肝硬変症例では投与を行うべきではないと指摘されています。
また、腎機能障害・透析例に対する記載・治療推奨が変更しています。
さらに、ソホスブビル・リバビリン併用療法、ソホスブビル・レジパスビルの市販後の成績が追記されています。
これによると、ゲノタイプ2型の C 型慢性肝炎・代償性肝硬変に対するソホスブビル+リバビリン12週併用療法の市販後における SVR12 率は94・1%と報告されています(33頁)。
ゲノタイプ1型の C 型慢性肝炎・代償性肝硬変に対するソホスブビル/レジパスビル12週併用療法の市販後における SVR12 率は概ね95~100%と報告されています(38頁)。
その他には、「DAA併用によるIFNフリー治療歴のある症例の再治療」の変更、代償性肝硬変症例に対する治療について、安全性の記載を追加、「資料3 併用禁忌・併用注意薬」にEBR+GZRを追加が、主な改訂点です。
ちなみにモバイル端末のアプリでは薬剤相互作用の検索機能があり、C型肝炎患者が服用している薬剤の相互作用を簡便に検索することが可能になっています。
目次