化血研の事業の今後についての緊急要望書を提出、薬害エイズ原告団が厚生労働大臣に
東京HIV訴訟原告団・大阪HIV訴訟原告団が10月21日、厚生労働大臣に対して「化血研の事業の今後についての緊急要望」を提出しました。
厚生労働省が化血研の事業譲渡を求めていますが、一方において化血研は経営陣を刷新した後、事業継続を求めるなど混乱しています。
これに対して、厚生労働省と化血研はいずれも薬害エイズ事件の被告であることから、被害者である原告団に対する情報開示などを求めるものです。
具体的には、両原告団は、「化血研の事業の将来について、厚生労働省として何らかの見解・計画があるのであれば、まず原告団に周知のうえ、協議の場を設けられたい」、「化血研の事業が適切に進められるべく、原告団の意見をも聴取しつつ、厚生労働省として調整に当たられたい」という2点を求めています。
そもそも血漿分画製剤をふくむ血液製剤、さらには血液事業の問題については、薬害HIV事件発生の主要因として、原告団が非常に強い関心を持ってきた。平成13年の「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」制定の際にも、われわれは強く働きかけを行い、その後も薬事・食品衛生審議会血液事業部会運営委員会の委員として積極的に発言、関与してきたところである。
化血研の事業は、特に血漿分画製剤の開発、製造、販売において、日本の血液事業の大原則である献血による血液の国内自給達成に向け、極めて大きな役割を担っている。原告団としては、それが今後いかなる事業体のもと、いかなる血液事業への意識で行われるかを注視しているところである。
化血研の事業の将来については、密室での指示、規定ではなく、第一に原告団と対応を協議し、そのもとに関係者の意見も踏まえ、厚生労働省が調整役となり、血液事業をはじめ様々な国策にかなうような形での解決を強く望むものである。
目次