薬害の教訓を動画で訴え、厚生労働省サイトで公開
厚生労働省が、薬害の歴史や教訓を動画でまとめ、厚生労働省ホームページで公開しています。
作成された動画は30分。
「薬の基礎知識」、「薬害の歴史」、「被害者の声」、「代表的な薬害の概要」、「医薬品をめぐる社会の仕組み・役割」、「私たちにできること~学習のまとめ」という構成です。
「被害者の声」のコーナーでは、サリドマイド、スモン、薬害エイズの被害者6名が出演して被害経験を訴えています。
薬害肝炎からは九州原告の手嶋和美さんがFDAの承認取り消し後にも日本でフィブリノゲンが使用されたこと、自分はその後に使用されたこと、母子感染で四男にも感染させてしまったことなどを訴えています。
薬害肝炎検証会議の最終提言は薬害教育の重要性を指摘しています。
今回の動画はDVDにまとめられ、全国の中学校に配付される予定。映像を通して中学生の理解がより進むことが期待できるでしょう。
薬害エイズの被害者後藤智己さんは「医療者らが情報をきちんと公表していれば感染せずにすんだかもしれません。薬害を繰り返さないように情報を隠さず、みんなが正しい知識を得て偏見・差別のない社会を目指してもらいたいです」と訴えています。
妊娠中の女性が服用すると胎児に重い障害が出る薬害を引き起こしたサリドマイドの被害者、増山ゆかりさんは「私たちは多くの犠牲を払ってきました。障害のためにやりたいことが出来ない自分が悲しくなりますが力強く生きることで苦難を乗り切るしかありません」などと語っています。
動画をまとめたDVDは今後、全国の中学校に配布され授業などで活用されるということです。厚生労働省は「被害者の声を聞くことで多くの人に薬害について考えてもらいたい」としています。(2月1日付けNHK)
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