薬害肝炎原告が中学生198名に被害経験を講演
薬害肝炎原告が11月13・14日、文京区立第十中学校で薬害被害の経験談を伝えました。
全校生徒198人が被害の訴えに耳を傾けました。
2日間で複数の薬害被害者の声を伝えるという良い機会になったようです。
薬害肝炎原告団が求める再発防止の中に薬害教育も含まれます。
検証委員会の最終提言でも「初等中等教育や消費者教育の観点からの生涯学習として薬害を学ぶことについての検討の必要性」が指摘されています。
薬害被害者団体の求めに応じて、厚生労働省が「薬害を学ぼう」というリーフレットを作成しているほか、医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団が薬害教育映像シリーズ「温故知新」を発刊しています。
こういう資料を上手く利用しながら実際に被害者の声を聞く機会が大事になると思います。
肝炎ウイルスが混入した血液製剤は、米国では感染の危険性が指摘されて1977年に製造承認が取り消されたが、日本では94年ごろまで使われた。2002年から全国五カ所の地方裁判所で裁判が起こされ、08年に救済法、翌年に肝炎対策基本法が制定されたが、今なお被害に苦しみ、救済されない人がいる。
14日には心臓手術で使われた血液製剤による劇症肝炎で父を亡くした栃木県の郡司原之さん(56)が、「手術は成功したのに、その3カ月後に56歳の若さで父は亡くなってしまった」と悔やんだ。「現在もさまざまな薬害問題が起きている。自分に関係ないと思わないで。投与された薬が原因でエイズや肝炎になったり、夢の新薬と宣伝された薬で健康を害し、命を落とすこともある」と語り、「薬を作り、許可し、扱い、飲む人がいる。どの立場でも被害者にも加害者にもならないようにしたい」と訴えた。(11月16日付け東京新聞)
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