産婦人科診療ガイドライン~産科編・婦人科外来編2014がそれぞれ公開
「妊娠出産」「婦人科疾患」の医療提供者向け診療ガイドラインが7月14日、それぞれMinds(マインズ)で公開されました。
・妊娠出産「産婦人科診療ガイドラインー産科編2014」
産婦人科診療ガイドラインは2008年初版。
その後2009年から産科医療補償制度が開催され、主たる原因の一つである常位胎盤早期剥離に対する早期診断への取組もなされています。
このような状況を受けて改定第3版である2014年版が発刊されたものです。
「脳性麻痺になったことには直接的な関与がなくとも、分娩経過でガイドラインに基づく標準的医療が行われていたかどうかが指摘されることもあるだけに、分娩施設は、施設の規模に関係なく、このガイドラインに基づき適切な産科の標準的医療を行うことが求められています」と指摘されています。
・婦人科疾患「産婦人科診療ガイドラインー婦人科外来編2014」
婦人科外来編は2011年に初版で、2014年版は改定第2版になります。
このガイドラインは外来のデスクに置いておいて、常に、辞書的に使って下さい。患者さんにとっても安心につながります」「全国の産婦人科医師の75%以上がガイドラインを基に診療を行っています」ということです。
このようなガイドラインは民事訴訟においても注意義務を認定する際の一つの資料としても扱われます。
各学会が発表するガイドラインは、専門家が議論し有効性と安全性を検討したうえでまとめられるもので、策定時点における望ましい治療法あるいは標準的治療法を示すものである。したがって、医療水準を認定するための資料としては最も利用しやすいものである(「リーガル・プログレッシブ・シリーズ医療訴訟」秋吉仁美編)
ガイドラインに違反したからといって直ちに医療水準に抵触したり、過失が推定されたりすることにはならない。しかし、ガイドラインの多くは、標準的な診断方法や治療方法を提示して臨床で利用してもらおうという趣旨で作られている。従って、ガイドライン違反が損害賠償責任における注意義務違反と結果的にイコールとなることはあり得る(「医師・医療機関の損害賠償責任の基準について」鈴木利広・手嶋豊・関達朗)
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