保育事故防止のためのガイドラインを作成へ、睡眠中・食事中の注意点を明記
国の専門家会議が7月13日、保育所や幼稚園など保育施設における子どもの事故を防ぐため、ガイドライン骨子案を策定しました。
今回の骨子案をもとに具体的な内容は秋までに決定される見込みです。
2014年に把握された保育施設の事故は、子ども17人が死亡し、うち11人が睡眠中でした。
・保育施設における事故報告集計(厚生労働省)
そこでガイドラインでは、「睡眠中」「食事中」という場面ごとの注意点を明記する方針です。
なお内閣府・文部科学省・厚生労働省に報告のあった事故情報については、内閣府がデータベース化して公表しています。
ガイドラインでは、乳幼児突然死症候群(SIDS)などを防ぐため「睡眠中はそばにいる、目を離さない」、食べ物を喉に詰まらせないように「食事中は驚かせない、早食いさせない、せかさない」といった文言が盛り込まれる見込みだ。(7月13日時事通信)。
香川県高松市の「げんき保育園」は、事故が起きやすい睡眠や食事、それに水遊び中に子どもから目を離さないよう重点的に対策を取っています。
子どもたちが昼寝をする際には、顔色を確認できるよう部屋のカーテンは1か所しか閉めません。
小児科の医師の指導を受けた保育士が、寝ている子どものおなかの動きを見たり鼻先に小さな鏡を近づけ曇るかどうかを見たりして、呼吸の様子を確認します。横向きやうつぶせで寝ている子どもがいる場合は、窒息しないよう仰向けに体勢を変えています。(7月13日NHK)
私の担当した事案は昼寝中に子が窒息で死亡したケースでした。
保育士の注意義務違反か、SIDS(乳幼児突然死症候群)か争いになりましたが、言葉をしゃべれない子と保育士一人だけという密室での出来事であったため、真相究明に非常に苦労しました。
その過程で保育園側の説明が変遷を続けると、家族の納得は到底得ることができません。
保育施設は事故状況の説明について、当事者である保育士の証言に依存するため、重大事故が発生した場合、家族にはどうしても不信感が募ります。
カメラを設置しておくことは当事者の説明を客観的に補足することによって、家族の納得を導き、そして再発防止のためにも有益と思われます。
神奈川県藤沢市の「五反田保育園」では、食事や睡眠の際に事故が起きやすいとされている0歳と1歳の保育室や、園庭など合わせて16か所にカメラを設置しています。
カメラの映像は職員室にあるモニターで常に見ることができ、およそ2週間保存しています。0歳児の保育室で子どもが寝ている間、保育士が別の子どもの対応で部屋を離れたことにモニターを見ていた園長が気付き、すぐに対応したケースがあったということです。(7月13日NHK)
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