日本肝臓学会が「肝がん白書2015」を発行、16年ぶりの改訂
日本肝臓学会が2015年7月1日、肝がん白書2015年版を発行しました。
1999年4月30日、肝がん撲滅運動の一環として冊子「肝がん白書」を発行していましたが、その後、治療法の進展などもふまえて今回の改訂に至ったものです。
「我が国における肝がんの特徴(1章)」「わが国における肝がんの動向(2章)」「前がん病変としての肝硬変の動向(3章)」「肝炎ウイルスキャリアの動向(4章)」「肝がんの診断法の進歩と早期発見(5章)」「肝がんの治療法の進歩と予後(6章)」「抗ウイルス療法の進歩と肝がん(7章)」「肝がんの医療経済(8章)」「国の肝炎および肝がん対策(9章)」、「今後の展望と提言(10章)」からなります。
肝がん死亡者数は減少傾向にあるとはいえ年間3万人を超えています。
肝がんの原因として、C型肝炎は減少傾向にある一方、脂肪性肝炎を含む非B非C型肝炎が増加傾向にあります。
日本肝臓病患者団体協議会、薬害肝炎原告団、予防接種B型肝炎原告団の3団体の活動によって、肝炎対策基本法が施行されたものの、啓発活動は未だ道半ば。
今回発刊された「肝がん白書」もわかりやすくまとめられておりいろんな機会に利用できそうです。
日本肝臓学会による肝癌撲滅のための活動は,平成8年11月30日に東京で開催された市民公開講座で開始された。平成9年からは全国4カ所で市民公開講座が毎年開催され,平成11年度からはこれに加えて,全国都道府県50カ所で肝がん撲滅運動として市民公開講座などが実施されている。
最近の肝がんを取り巻く環境の変化と診断,治療法の進歩を鑑みて,平成11年に刊行した「肝がん白書」をこの度改訂した。
わが国では,肝がんは減少傾向に向かったが,いまだ残された課題も多く,日本肝臓学会が果たすべき役割は重大である。
今後の肝がん対策に改訂版の「肝がん白書」が貢献することを期待する(あとがきより)
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