平成27年版消費者白書が公表、グローバル化の進展と消費者問題を特集
目次
◆特集はグローバル化進展の影響
平成27年度版の消費者白書が6月19日、閣議決定を経て公表されました。
本年度の特集としては、「グローバル化の進展と消費者問題」が取り上げられました。
まずグローバル化に関連した消費者問題として、海外事業者・輸入品に関する相談として中国関連が多いと指摘されています。
トラブル内容は事業者の所在国別に見ると特徴が現れています。例えば中国関連では、模倣品・詐欺関連が86・7%に達しています。
また輸入に関する相談として、「インターネット通販で注文した品物が届かない」、「購入した輸入車が故障続きなので解約したい」といった契約・解約・販売方法の相談が増加しているようです。
一方、品質・機能に関する相談自体は減少傾向にあり、「業者側の努力によって、より安全な品質の良い商品が消費者の手元に届いてる可能性もある」ということです。
さらにインターネットを利用し契約した海外旅行に関するトラブルも増加しているようです。
「現地に行ったら事前の節目地よりホテルの質が悪い」、「タイムシェアという不動産所有権付きのリゾート会員権のトラブルに巻き込まれた」といった相談が紹介されています。
そのほか、海外事業者との金融商品取引でのトラブルも増加。
バイナリーオプション取引に関するトラブルが急増したほか、自動売買ソフト購入後の海外事業者とのFX取引をめぐるトラブルが増加しています。
◆消費者被害の相談相手
消費者行動・意識の状況をみると、消費者被害を受けた場合の相談相手としては、メーカー等の事業者が45・2%、家族・知人が36・9%、商品の販売を行う代理店が29・3%、行政の相談窓口が7%、弁護士・司法書士が2・2%、警察が1・9%、消費者団体が1・3%になっています(いずれも2014年度調査)。
2013年度と比較して増加しているのは、わずかながら行政の相談窓口(5・2%→7%)、弁護士・司法書士(2%→2・2%)、消費者団体(0・4%→1・3%)となっています。
◆美容医療
そのほか、医療脱毛・脂肪吸引・二重まぶた手術等の美容医療サービスに関する相談が、増加傾向を見せています。
2005年1220件だった相談件数は、2014年には2557件と2倍以上に達しています。
相談内容としては、相変わらず料金割引を強調したり、即日決断を迫ったりするなどの問題勧誘や広告の問題が指摘されています。いつも指摘するのですが、この分野に対する行政の踏み込んだ対応が必要な段階に達していると思います。