ソバルディ錠(ソホスブビル)が5月25日から販売開始、C型肝炎全例治癒時代の幕開けへ
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◆期待のソバルディが販売開始
ギリアド・サイエンシズの経口C型慢性肝炎治療薬「ソバルディ錠(一般名=ソホスブビル)」が5月25日、正式に販売を開始しました。
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が3月5日に承認するとともに、肝炎治療戦略会議も5月18日、医療費助成の対象とすることを承認していたものです。
1錠6万1799円し、患者一人あたり12週の治療で550万円かかりますが、患者の負担は従来通り、月1万から2万で済みます。
アメリカではこの異常な高価格について一部批判が出たりしていましたが、国民皆保険制度を採用する日本では幅広く患者全体に行き渡るメリットがあります。なお550万円かかるといっても、肝硬変・肝癌に進んだ場合の総医療費との対比でいくと、合理性があるということもできます。
いわゆる従来の主流であったインターフェロンを利用しないインターフェロンフリー療法は、既に他の薬剤がスタートしていましたが(遺伝子2型に対してはソバルディが初)、アメリカ等で承認され高い著効率が出ていたソホスブビルは、日本の治験でも96%の治癒率に達しており、患者の期待値がかなり高い新薬。
C型肝炎が本当の意味で「全例治癒を射程に入れた」といっても過言ではないでしょう。
◆効能・効果
効能・効果は、セログループ2(ジェノタイプ2)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善とされています。
用法及び用量としては、リバビリンとの併用において、通常、成人にはソホスブビルとして400mgを1日1回、12週間経口投与します。
◆警告・禁忌
警告として、「ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者に対してのみ投与すること」とされています。患者としても各地域の定評のある肝臓専門医がいる病院(福岡であれば、九州医療センター、福岡大学病院、久留米大学病院など)にて治療することが肝要です。
禁忌としては、「重度の腎機能障害(eGFR<30mL/分/1.73m2)又は透析を必要とする腎不全の患者」、「次の薬剤を投与中の患者:カルバマゼピン、フェニトイン、リファンピシン、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品」とされています。
その他の重要な基本的注意としては、前述のように、リバビリンとの併用投与のため、リバビリンの添付文書に記載されている警告・禁忌・慎重投与を必ず確認する必要にも注意が必要です。
◆副作用
ジェノタイプ2のC型慢性肝炎患者又はC型代償性肝硬変患者を対象に本剤とリバビリンを併用した国内第3相臨床試験において、140例中61例(43.6%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、貧血又はヘモグロビン減少21例(15.0%)、頭痛7例(5.0%)、倦怠感6例(4.3%)、悪心6例(4.3%)、そう痒症6例(4.3%)等があります。
副作用情報については患者としても十分に注意しながら治療していくことが望まれます。
◆近いうちに1型も対象に
今回の効能・効果は遺伝子2型にとどまりますが、日本人に一番多い1型についても、ソバルディとレジパスビルの配合剤についても、既に昨年9月24日に申請されており、やがて1型についてもソバルディで直す時代が到来するものと思われます。