いじめ自殺訴訟で和解成立、加害者が遺影・位牌に合掌を条件に
群馬県の私立小学校において小学校6年生がいじめによって自殺したとして、遺族両親が加害少女と母親に対して損害賠償請求を求めていた訴訟で、和解が成立しました。
目を引いたのは遺影と位牌に頭を下げることを条件にしたという点です。
群馬県桐生市で2010年10月、市立新里東小学校6年の上村明子さん(当時12歳)が自殺したことを巡り、母親(45)が、明子さんをいじめたとして元同級生の少女(15)と少女の母親に330万円の損害賠償を求めた訴訟は1日、前橋地裁(原道子裁判長)で和解が成立した。
元同級生は同日、和解に従って、同地裁で明子さんの遺影と位牌いはいに手を合わせて頭を下げた。金銭の支払いは盛り込まなかった(12月1日読売新聞)
損害賠償請求を取り下げたのは、既に群馬県と市を被告とする訴訟で、市が解決金150万円を支払うことで和解が成立していたこと、そしていじめと自殺の因果関係の立証が厳しいという見通しも影響したのでしょう。
加害少年もまだ15歳ですしその心情に対する影響は考慮する必要はありますが、そのあたりは双方代理人も十分に配慮したと思われます。裁判長もその場に立ち会ったということで配慮を示しています。
私はいじめ訴訟では経験はありませんが、医療過誤訴訟の和解において、医療機関が一定の賠償金を支払うとともに、主治医が遺族に対して和解の席で直接謝罪することを求めたことがあります。
医療機関・主治医も原告の求めを受け入れ、裁判所の弁論準備室において、裁判官・双方代理人立ち会いの上、主治医が遺族に謝罪して和解が成立しました。
主治医なりに自分の言葉で率直な気持ちを述べてはいましたが、複数名の遺族の中には、満足される方と強い不満を述べる方に分かれてしまい、いわば「修復的司法」の難しさを感じたものでした。
本件は和解後、原告(両親)自ら、「(子どもは)私たちの心の中でずっと一緒に生きていく。帰ったら長く待たせてごめんねと伝えたい」と述べたということでしたので、良い解決ができたのではないかと思います。
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