原野商法2次被害で集団訴訟、国民生活センターへの相談も急増中
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▲大阪地裁に集団訴訟が提起
原野商法の被害者114名が2次被害を受けたとして11月28日、4700万円の賠償を求める集団訴訟を大阪地裁に起こしました。
原告は2011年から2014年にかけて、業者から「中国の富裕層に売れば高値で売れる」などと勧誘され、土地の調査費や土地の除草費名目での金員を支払ったもの。
業者の経営者は既に詐欺罪で起訴されていますが、総被害者は5000人・被害総額も13億円に達するようです。
▲原野商法とは
原野商法とは、「将来開発されて土地の値段が上がる」、「新幹線が通るので別荘地に最適」など虚偽事実で勧誘して、市場価値のほとんどない不動産(土地)を高額で売りつける商法のことを言います。
日本で土地再開発が進んだ1970年頃から問題になり、1980年台には警察による摘発が行われました。
私が弁護士になった1995年ころには「消費者被害」の典型例として例示されるものの、ほとんど実害を聞くことはなく、過去の悪徳商法というイメージでした。
▲最近の傾向
今回問題となっているのは、当時被害にあっていた被害者をピンポイントで狙って、新たな契約をさせるというもの。
投資勧誘被害でも被害者の名簿が業者間に出回り、2次、3次、場合によっては4次被害を受けているケースもありますが、原野商法でも2次被害が広がりつつあるものです。
国民生活センターによると、2004年には247件だった相談が、2011年には初めて500件を大きく突破(796件)。そして2013年には1048件と1000件を超えるなど急増しています。
被害者は70歳以上が7割を占めるなど他の詐欺事案と同様に高齢者の割合が高くなっています。
その他の特徴としては被害者の地域ブロックでしょうか。南関東が53・9%、近畿が24.3パーセントと両地域だけで80%近くなっています。
ただし新たな原野商法として他の地域に亜流が広がっていく可能性もありますのでしばらく注意が必要になりそうです。
自宅に電話があった後来訪した業者から、30年ほど前に夫が購入した山林を売却しないかと言われた。その土地の購入価格は約100万円だったが、今の相場は200万円くらいだろうと説明された。これまで固定資産税などの徴収もなかったので、この業者から電話があるまで山林を所有していることを知らなかった。
必要のない土地なので、売れることを期待し、その日のうちに土地の調査や広告などを委託する契約と土地の売買に関する媒介契約を行い、約30万円を口座振込で支払った。しかし、後になって、知らない業者の話を信じて契約したことが不安になった。できるならクーリング・オフしたい(国民生活センター受付の事例)
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