西日本新聞の長期連載「罪と更生」が単行本として出版、排除するだけでなく更生のために
裁判で弁護人として関わった被告人、審判で付添人として関わった少年。彼ら・彼女らの真の意味の立ち直りに、法律家がどれだけ貢献できているのか・・
無力感を味わった弁護士は少なくないと思います。
西日本新聞社会部の取材班が2013年秋まで2年にわたって幅広く取材し、「罪と更生」をテーマに長期連載されていました。
その連載にキーワード解説などを加筆して、このたび、法律文化社から「ルポ・罪と更生」と題する単行本が出版されました。
目次を見ると、「第1章 裁くということ 手探りの裁判員裁判」、「第3章 少年院のいま 学びの場模索の日々」、「第5章 極刑 ベールに包まれた世界」など興味深いテーマが並んでいます。
取材班の中心メンバーだった相本康一記者は、薬害肝炎訴訟が佳境を迎えていた頃、熱心に取材してくれた記者の1人。
被害者に寄り添い勇気づけながら、構造薬害の本質に迫る記事は、原告弁護団はもちろん支援者の間でも評判でした。
その後、東京支社に異動になり官邸・与党の取材を担当、そして福岡に戻り手がけたのがこの連載。
相本記者らしい骨太の連載だなあ・・と思いつつ、連載当時、各記事を読ませてもらっていましたが、それがまとめて読めることになりました。
私もじっくり手に取って再読してみたいと思っている本です。
犯罪に手を染めた人が立ち直って社会で生きていくために、刑罰や再犯を防ぐ支援のあり方などについて現場から考えた西日本新聞の長期連載「罪と更生」を基に加筆した「ルポ・罪と更生」が法律文化社から出版された。
刑務所や少年院、出所後の生活を見守る保護司や保護観察官、福祉の専門家、法曹三者などに取材を続けた。知的障害者や認知症の高齢者が万引などを繰り返す累犯を断つための福祉のサポートから、裁判員裁判、更生保護、刑務所と少年院、死刑、加害者・被害者の家族などをテーマに現状と課題を描いた。(9月24日西日本新聞)
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