保育所事故防止のためデータベースを作成へ、「子ども・子育て支援新制度」を控え有識者会議が方針
子育てのサポートを充実させるための「子ども・子育て支援新制度」が来年2015年4月に開始します。
「子ども・子育て支援新制度」とは、平成24年8月に成立した「子ども・子育て支援法」や「認定こども園法の一部改正」など子ども・子育て関連3法に基づく制度をいいます。
新制度実施に向けて、保育施設での事故防止策を検討する政府の有識者会議が9月9日、初めて開催され、今後、提言をまとめる予定になりました。
有識者会議では、保育視線での事故事例を集めたデータベースを作成することや、事故予防のためのガイドラインも取りまとめます。
例えば、厚生労働省の集計によると、死亡事故は平成25年の1年間で19件ありますが、0歳と1歳(各8名)がもっとも多くなっています。報告件数162件のうち、事故の発生場所は室内が最も多く(78名)、負傷報告は143件あり、うち5歳が最も多くなっています(49名)。
保育所での事故は事故状況が判然とせず、園側の不自然な説明に子を預けていた親としては不信感を抱くことも少なくありません。
また死亡原因や傷害状況が判然とせず、訴訟になった場合には、園側は予見可能性がなかったとして争う例が数多く見られます。
不幸な事故を防止するために、データベースや事故予防のガイドラインを作るだけでは足りず、いかに個別の施設に周知徹底するかもそれ以上に大事になってきそうです。
データベース化するのは死亡などの重大事故を想定。性別や発生場所、詳しい状況などの情報を集めて分析する方向だが、個人情報保護の観点からどこまで公表するのが適当かを検討する。第三者機関は運輸安全委員会などの制度を参考に、事故の検証の在り方を考える。事故予防のガイドラインや事故の公表ルールも協議する。
乳幼児の事故は、異物の誤飲や遊具からの転落などによって起こる。厚生労働省によると、2013年の保育所での死亡事故は19件あり、0~1歳児が大半を占めた(9月10日付け日経新聞)。
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