CO2排出権取引の被害が急増、狙われる高齢者
CO2(二酸化炭素)排出権取引による消費者被害が急増しています。
福岡県警生活安全課が2月31日、投資会社「スカイトレード」の代表者・社員ら3名を詐欺及び特定商取引法違反(不実告知)で逮捕しました。
18都道府県の70名に対して「絶対に損はさせない」という虚偽の説明をし、総額1億5000万円の被害を発生させていたものです。
5月2日に行われた福岡地裁における初公判において、3名はいずれも起訴内容を認めました。
パイオネット(全国消費生活情報ネットワークシステム)では、CO2排出権取引に関する相談が2010年度以降、230件に達しています。
被害者の属性としては70歳代が69件(31・9%)と最も多くなっています。退職金などの多額の金銭が狙われていることがうかがえます。
地域別では、南関東73件(32・2%)、近畿52件(22・9%)、九州北部22件(9・7%)と続いています。
スカイトレードの被害も福岡県に集中していましたが、九州北部で深刻な被害が広がりつつあります。
典型的な手口は、「元本は必ず戻る」「すぐ倍になる」などと不実の事実を告知した上、契約に誘い込み、「値段が下がったから追証が必要になった」と追加の支出を迫るというもの。
契約時に保有金融資産についても聞き出され、その大半の額の被害にあっています。
福岡県警が摘発したスカイトレードは、実際には排出権そのものの受け取りを伴わないデリバティブ取引しか行っていないにもかかわらず、CO2排出権取引を標榜していました。。
このように実際に運用をしていない会社も少なくなく、警察への相談も増加しています。
そもそも投資経験がなかったり、契約を理解していない高齢者が狙われて、親族が気付くまで多額の被害が埋もれている可能性も少なくありません。
国民生活センター、消費生活センターも度々注意喚起していますが、親族が気付いた場合には直ちに弁護士、警察等に相談することが必要でしょう。
二酸化炭素(CO2)排出権取引への投資を持ち掛け、現金をだまし取ったとして、福岡県警生活保安課などは31日、詐欺と特定商取引法違反(不実の告知)容疑で、投資会社「スカイトレード」(福岡市中央区)の実質的経営者良永博治容疑者(51)ら男3人を逮捕した・・
同課によると、同社は実際には取引しておらず、18府県の約70人が総額約1億5000万円の被害に遭ったとみられる。だまし取った金は人件費などに充てられ、幹部の中には約1年間で約3000万円の報酬を得た者もいたという。
同課は12年10月、特定商取引法違反容疑で同社を家宅捜索していた(時事通信)。
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