世界エイズデー、早期発見・治療で慢性疾患になったHIV
12月1日はレッドリボンをシンボルマークとする「世界エイズデー(World AIDS Day)」でした。
世界エイズデーとは、世界レベルでのエイズのまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を目的に、WHO(世界保健機関)が1988年に制定したものです。
日本でも毎年12月1日前後にエイズに関する啓発活動が行われています。今年も厚生労働省主催で、東京渋谷や大阪難波でイベントが行われました。
HIVウイルス(ヒト免疫不全)に感染しても、適切な治療を行えば、エイズ(後天性免疫不全症候群)を発症を抑えることが可能になっています。
ところがHIVウイルスに感染しているにもかかわらず、感染を知らないままエイズを発症すると、治療はかなり難しくなってきます。
その意味で早期発見して早期治療さえ継続すれば、HIVウイルスは一生付き合っていける疾患になりつつあります。
先日、HIVに感染した献血者の血液が、日本赤十字の安全検査をすり抜けて輸血された問題が発覚しました。
「ウインドーピリオド」(空白期間)と言われますが、感染初期の血液は、ウイルス量が少ないため、検査をすり抜けて安全な血液と認識される恐れがあるわけです。
以前からHIV検査目的で献血を利用する例が指摘されています。
万が一、不特定多数の性交渉を秘匿した上で献血し、自分の献血血液によって第3者に対してHIVウイルスを感染させた場合には、損害賠償責任を負う可能性も否定できません。
現在、保健所で無料検査が可能ですから、不特定多数と性交渉を持った経験がある人は早期検査が望まれます。
ちなみに平成24年のエイズ発生動向年報によると、新規報告数は1449件。
福岡県もHIV・エイズともに、上位10県にランクされています(上位10位は、東京都、大阪府、愛知県、神奈川県、福岡県、千葉県、兵庫県、埼玉県、北海道、静岡県)。
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