美容医療トラブル、消費者庁が注意喚起
消費者庁が、「美容医療サービスを受けるに当たっての確認ポイント」を公表して、患者・消費者に対して注意喚起しました。
美容医療サービスとは、医療機関による脱毛、脂肪吸引、シミ取り、二重まぶた手術、包茎手術などを指します。
相談件数は、平成21年度から23年度の3年間で実に5016件。特に生命・身体に影響がある危害関連の相談件数の増加が目を引きます。平成21年度は292件、平成22年度は305件、平成23年度は350件です。
相談者の年齢は、男性・女性ともに20歳後半から30歳前半にかけてが多くなっていますが、幅広い層からの相談が寄せられています。
相談事例を施術別にみると、シワ取り、脱毛、しみ取り、脂肪吸引、二重まぶた、豊胸、包茎等が大部分を占め、そのうち約18%が1カ月以上も被害が続いており、深刻さが伺えます。
二重まぶたの治療では、ひきつり等の神経障害だけでなく、角膜への傷害が生じた事例も報告されています。
豊胸手術では、化膿や神経に傷が付く等の重大な事故が起きています。
さらに、顎を短くする整形手術を受けた30台男性が麻酔用の管で窒息して死亡するなど死亡例もあります。
厚生労働省のガイドラインはあるものの、未だ不適切な表現の広告が数多く見られるようです。
事前に施術の内容を調べること、当該医療機関に対してリスクや施術効果について入念に説明を求めることが肝要です。
場合によっては文書でリスクや施術効果について説明してもらう注意深さも必要でしょう。
医療過誤の裁判例においては、美容医療は、緊急性と必要性が他の医療行為に比べて少なく、また、患者は結果の実現を強く希望しているものであるから、医師は、当該治療行為の効果についての見通しはもとより、その治療方法によって生ずる危険性や副作用についても、より十分に説明すべき注意義務を負うと認定されています。
ところがそのような美容医療としての注意義務がきちんと遵守されていないことが、消費者庁の公表内容からも伺えるといえるでしょう。
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