古賀克重法律事務所ブログ

福岡県弁護士会所属弁護士 古賀克重(こが かつしげ)の活動ブログです。

医療・医療過誤

がん5年生存率及びがんサバイバー生存率を公表

全国がんセンター協議会が2012年10月22日、がん患者の5年生存率を病院毎に公表しました。

協議会には全国31の病院が加盟しています。
加盟施設一覧
そのうち28施設が公表しましたが、3施設は公表していません(青森県立病院、富山県立病院、静岡県立静岡がんセンター)。

28施設の5年後の平均生存率は、胃がん70・4%、大腸がん73・4%、肺がん40・6%、乳がん90%、子宮頸がん76・3パーセントになっています。

胃がんの5年生存率の上位5施設は、高い順に、大阪府立成人病センター(80・2%)、新潟県立がんセンター新潟病院(78・5%)、山形県立中央病院(77%)、国立がん研究センター有明病院(76%)、千葉県がんセンター(74・6%)。

大腸がんの上位5施設は、山形県立中央病院(81・4%)、国立がん研究センター有明病院(77・2%)、群馬県立がんセンター(76・2%)、四国がんセンター(75・6%)、兵庫県立がんセンター(75・1%)。

乳がんの上位5施設は、兵庫県立がんセンター(93・3%)、国立がん研究センター有明病院(92・9%)、新潟県立がんセンター新潟病院(92・8%)、名古屋医療センター(91・8%)、東京都立駒込病院(91・3%)。

子宮頸がんの上位5施設は、四国がんセンター(84・4%)、大阪府立成人病センター(81・7%)、大阪医療センター(81・5%)、兵庫県立がんセンター(81・3%)、新潟県立がんセンター新潟病院(81・1%)。

肺がんの上位5施設は、四国がんセンター(58・1%)、大阪府立成人病センター(49・4%)、、国立がん研究センター有明病院(48・2%)、新潟県立がんセンター新潟病院(44・3%)、栃木県立がんセンター(44・1%)。

病院によって生存率の差が最も大きいのは肺がん。トップの四国がんセンターと最下位の医療機関とは、33・3パーセントもの差がありました。

対象患者数、受け入れ医療機関の特徴、初期がん(1期)と進行がん(4期)の患者数等も影響するため、一概に数字だけでは比較できません。
一方において、がんの種類を問わず、生存率の高い病院、低い病院は、概ね一致する傾向も見受けられました。

例えば、国立がん研究センター有明病院、新潟県立がんセンター新潟病院は、4つのがんで上位5位以内に入っています。
また、大阪府立成人病センター、兵庫県立がんセンター、四国がんセンターは、3つのがんで上位5位以内に入りました。

逆に、5つの医療機関が、2つ以上のがんで生存率の低い下から3位以内に入っています。
患者としてはこういう数字も一つの参考に身をゆだねる医療機関を選択していきたいものです。

さらに、協議会は、24万症例を集計して、自分と似た患者の生存率を調べる検索システムも公表しましたので、合わせて利用できるでしょう。

生存率検索システム

がんの種類や性別、年齢などを選択して診断から5年後の平均生存率を確認できる検索システムを、国立がん研究センターの研究グループが開発した。
診断日からの日数を指定して、その期間生存した患者だけに絞った生存率(サバイバー生存率)を調べられるのが特徴で、30種類以上のがんの生存率を調べることができる(2012年10月23日日経新聞)。

投稿者プロフィール

弁護士 古賀克重
弁護士 古賀克重弁護士
弁護士古賀克重です。1995年に弁護士登録以来、患者側として医療過誤を取り扱っています。薬害C型肝炎訴訟の弁護団事務局長として2008年の全面解決を勝ち取りました。交通事故も幅広く手掛けており、取扱った裁判が多数の判例集で紹介されています。ブログではその主たる取扱い分野である医療過誤・交通事故について、有益な情報を提供しています。

弁護士 古賀克重

弁護士古賀克重です。1995年に弁護士登録以来、患者側として医療過誤を取り扱っています。薬害C型肝炎訴訟の弁護団事務局長として2008年の全面解決を勝ち取りました。交通事故も幅広く手掛けており、取扱った裁判が多数の判例集で紹介されています。ブログではその主たる取扱い分野である医療過誤・交通事故について、有益な情報を提供しています。