ハンセン病療養所「大島青松園」が仮想現実(VR)案内サイトを公開
目次
大島青松園が仮想現実(VR)案内サイトを公開
ハンセン病国立療養所「大島青松園」が、仮想現実(VR:バーチャルリアリティ)で園内を紹介するバーチャルガイドのサイトを公開しました。
高松港からフェリーで訪問する大島青松園。大島青松園は1909年に開設して、最大740人の患者が入所していました。その園内の様子をweb上で訪問したかのように体験することができるサイトです。
高松港から大島港まで、施設の概要、青松園での暮らし、そして昔の園の様子などがアップされています。
入所者自治会長の森和男さんが、既に導入していた熊本の菊池恵楓園の取組を受けて、VRの活用を施設側に提案したということです。
大島青松園とは
全国に13箇所存在するハンセン病療養所。国の強制隔離政策によって、患者は社会内で生活することができず、療養所内での生活を余儀なくされました。
1998年に提訴したハンセン病違憲国賠訴訟では、私が弁護団の大島青松園の担当だったこともあり、幾度となく訪問してきました。
最近はなかなか訪問する機会がない中、VRサイトで園内を久しぶりに巡り、裁判当時の情景をありありと思い出すことができました。
国賠訴訟の当時は100名を超える患者がこの大島青松園にも入所していましたが、現在は29名になっています。国の責任として患者の終の住処となった園での生活を最大限保障していく必要があります。
高松市沖の大島にあるハンセン病の国立療養所「大島青松園」が、仮想現実(VR)で園内を紹介するサイトを公開している。入所者が高齢化する中、「差別の歴史を若い世代を含めて広く知ってほしい」という関係者の思いが込められている・・
・・同園社会交流会館の池永禎子学芸員は「遠方で気軽に来られない人にも興味を持ってもらうきっかけになれば」と期待する。
森さんは「ハンセン病の間違った知識が偏見や差別を生んだ歴史や、療養所で懸命に生きた人々の営みを、より多くの人に知ってほしい」と話している(2024年7月31日付読売新聞)。
関連情報
関連記事
・ハンセン病療養所「大島青松園」の将来構想、高松市が大島振興方策を取りまとめ
・日本医学ジャーナリスト協会賞大賞が発表、NHK「僕は忘れない ~瀬戸内 ハンセン病療養所の島~」
・ハンセン病患者団体会長の神美知宏さんが死去、患者の処遇改善に尽くした60年