薬害肝炎基本合意4周年集会が開催
薬害肝炎の基本合意記念4周年集会が2012年1月28日、大阪国際会議場で開催され、219名の原告・弁護士・支援者が集まりました。
2008年1月15日、当時の政府(自民党福田総理)と薬害肝炎原告団弁護団は、基本合意を締結して、訴訟の全面解決について合意しました。現在はこの基本合意を前提とする薬害肝炎救済法に基づいて、全国各地の裁判所で個別和解が進んでいます。
ちなみに全国の原告数は1930名、うち和解済みの原告は1758人(91%)になります。またカルテなきケースの原告数も228名に達しており、既にそのうちの148名について、医師看護師など必要な証拠調べを行った上で和解成立しています(65%)。
4周年集会は、大阪原告弁護団が、2002年から2008年までの活動を支援してくれた元学生さん達に声をかけて企画し、半年以上かけて準備してきたものです。
九州学生の会からは当時代表を務めて、現在は医療従事者として活躍している白濱さんが中心となって企画段階から関わってくださいました。
冒頭では大阪弁護団の西原弁護士がパワーポイントを使って薬害肝炎原告団弁護団の活動を振り返りました。西原弁護士が全国からかき集めた、学生支援を中心とした映像はなかなかの迫力。流れる音楽とともに当時の活動が目に浮かんでくるようでした。
現在修習生の武知さんが全国の元学生支援を回って、現在の活躍の姿を撮影したショートムービーも流されました。元学生の皆さんが様々な分野で活躍している姿をユーモアを交えて映像にまとめたもの。名古屋の学生支援エールの代表だった中塚君の就職先での元気な姿も見ることが出来ました。
続いて行われたのは元学生の皆さんによる座談会。コーディネーターの白濱さんが、壇上に上った各地の元学生さんから当時の思い出、原告とのエピソード、なぜ自分が支援活動を行ったのかなど、我々も知らなかったエピソードを次々と引き出していきました。
薬害肝炎全国弁護団の鈴木利廣代表は、「薬害エイズ裁判史」の中でこう述べています。
「(集団訴訟における)運動とは弁護団がコントロールするものではない」、「どこで、誰が、どんな支援活動をしているのか把握できないような、どうにもとまらない状態にまでなっていることが大事だ」
まさに薬害肝炎訴訟の支援活動がそのレベルにまで達していたんだなあ・・と感慨深く座談会を拝聴させて頂きました。
さらに壇上でのスピーチも行われました。スピーチを行った2人はいずれも薬害肝炎九州訴訟を支えてくれた元学生達です。某社で新聞記者として活躍する井上君。長崎学生の会ランスをもり立てて、現在は関西地区の医師として活躍する長君。2人の成長した姿に会場の原告さんからも感嘆の声が上がりました。
最後は、全国から集ってくれた40名近い元学生達が全員壇上にのぼり、集会責任者の武知さんがアピールして第1部は幕を迎えました。第2部は私が裁判史のアピールをして、恒久対策・再発防止の原告団活動報告もなされました。
最後は全国原告団代表の山口美智子さんが次のように挨拶して集会は幕を迎えました。
「最初に私が学生の皆さんと会ったのは、忘れもしない2003年の5月、九州大学の内田ゼミでの講演でした。前月4月に提訴したばかりで右も左も分からなかった私は、ゼミの学生さんにこう呼びかけました。『あなた方のお母さんと思って話を聞いてください』。講演が終わって壇上に駆け寄ってくれたのが今日も来てくれている学生さん達だったんです」
「われわれ薬害肝炎原告団弁護団の活動が、学生さんを含めた支援者の力がなければ勝ち抜けなかったことを改めて感じさせてくれました。私たち原告団は治療体制の整備、独立した第三者組織の立ち上げ、薬害肝炎救済法の延長問題などの課題にこれからも立ち向かっていきます。集会に関わってくださった皆さん、本当にありがとうございました」
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