福岡地裁の薬害肝炎原告が区切りの全員和解、国のさらなる広報を求めて
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福岡地裁の薬害肝炎原告が全員和解
2024年6月11日、福岡地裁で薬害肝炎九州訴訟の原告2名の和解が成立しました。
2003年4月の一斉提訴以来、原告が途絶えることなく訴訟を継続してきましたが、初めていったん全原告が和解成立となりました。
現時点で和解成立した九州原告数は383名。
うちカルテなど記録に基づいて立証された原告が338名(88・2%)、カルテ等がなく医師や看護師の記憶に基づく証言で立証した原告が45名(11・7%)になります。
現在も調査中の方がいますので追加提訴を行う見込みですが、九州原告団としてはひとつの区切りを迎えたと思います。
なお、一つの全国原告団弁護団としての活動を続けており、支部の東京、東北、名古屋、大阪などでも訴訟が継続しています。
薬害C型肝炎とは
日本におけるC型肝炎患者は100万人とも150万人とも言われています。
C型肝炎患者全員が薬害肝炎救済法の対象になるものではありません。
つまり、何らかの原因でC型肝炎に感染してしまったことが、全て国の責任とはいえないからです。それは他の感染症でも同じことになります。
2002年10月の東京・大阪提訴、そして2003年4月の九州提訴等を経て、全国原告団弁護団が解決を目指したのは、使う必要がなかった血液製剤による感染被害です。つまり、有効性に疑問があり、危険性の高かったフィブリノゲン製剤やクリスマシンによるC型肝炎感染被害になるのです。投与された時期は1964年から1994年頃になります。
全国5地裁の地裁判決をてこに全面解決を迫り、当時の政府が2007年に政治決断して、2008年1月、薬害被害者の一律救済を認めて、薬害肝炎救済法を制定して現在に至るものです。
薬害肝炎全国原告団弁護団の活動
現在も、薬害肝炎全国原告団弁護団は国と交渉を続けています。例えば、フィブリノゲン製剤等を投与されてC型肝炎に感染した可能性があるにもかかわらず、その事実を知らない方々へ情報を届けることを求めています。
つい先日も、国(厚生労働省)がラジオ広報を行ったところです。
杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより (TOKYO FM)
放送日:2024年6月9日(日)
テーマ:「知っていますか?C型肝炎特別措置法」
放送以降もアーカイブとして音声視聴が可能です(杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびのアーカイブ)。
また、Radiko、Podcast、Spotifyなどの各種配信サービスでも視聴可能です。
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