近未来通信代理店訴訟の福岡判決
近未来通信の九州地区の代理店に対して被害者が損害賠償請求を求めていた訴訟で、福岡地裁第1民事部(田中哲郎裁判長)は本日、代理店の法的責任を認め、5人の被害者に対して、合計金4740万6138円の支払いを命じました。
本件は、株式会社近未来通信の九州地区の代理店及びその代表者から勧誘を受けて、近未来通信と業務協約を締結した被害者らが、代理店及びその代表者は、近未来通信の事業が将来破綻することを知った上で、原告らを勧誘したものであり、故意により損害を被らせたと主張し、また、仮に故意がなくても代理店として近未来数審の事業の収益性等について調査してこれを説明すべき義務があるにもかかわらず、これを怠った過失によって損害を被らせたと主張していた事案です。
福岡県弁護士会のHP委員会のIT110番(無料電話相談)を経て、同委員会および消費者委員会の有志10名が原告弁護団を結成して、平成20年12月16日に提訴。
平成21年2月13日の第1回期日後、14回の期日を経て、平成22年12月8日に結審して、本日、判決が言い渡されたものです。
福岡地裁は、代理店の故意は認定しませんでしたが、「業務契約の締結を勧誘する際には、投資額が回収できないという一般的なリスクや、高い還元金やマージン等を支えるに足りる確実な収益基盤がないという本件システム特有のリスクを説明すべき義務があり、投資額の回収可能性や収益の見込み等について、断定的な判断を提供したり、確実であると誤解させる恐れのあることを告げたりして勧誘した場合には、上記説明義務に違反し、不法行為責任が成立する」と判断しました。
その上で、福岡地裁は、代理店代表者の被害者5名に対する各説明義務違反を詳細な事実認定の上で認め、不法行為責任を認めたものです(4名の原告について過失相殺3割、1名の原告について過失相殺7割)。
近未来通信を巡るこれまでの動きは、被害対策弁護団サイト
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