成年年齢引下げについてのQ&A
成年年齢引下げについての議論が進んでいます。
法制審議会民法成年年齢部会が2009年7月29日、民法(4条)の成年年齢を18歳に引き下げるのが適当であり、その具体的な時期は、国会の判断にゆだねるのが相当であるとする「最終報告書」をとりまとめたからです。
その後、2009年10月28日には、法制審議会としての意見もとりまとめて、法務大臣に答申が出されており、ボールは国会に投げられている状況です。
A1 国民投票法が成立したことが直接のきっかけです。つまり、2007年5月に成立した国民投票法が、附則3条において、「国民投票法が施行される2010年5月までに、18歳以上20歳未満の者が国政に参加することができるよう、選挙権を有する年齢を定める公職選挙法、成年年齢を定める民法、その他の法令について検討を加え、必要な措置を講ずるものと定めたからです。Q2 18歳・19歳を成年として扱うのはどのような理由がありますか?
A2 国民投票法が議論のきっかけであることからも分かるように、18歳・19歳という若年者の政治参加意欲を高めること、若年者が将来の国づくりの中心であるという国の決意を示すこと等が指摘されています(成年年齢部会の最終報告書)。
Q3 成年年齢の引下げで親権に影響はないですか?
A3 成年年齢を18歳に引き下げることによって、親権消滅効が働き、親権は2年分消えることになります。
Q4 それでは養育費も支払わなくてすむのでしょうか?
A4 親権が消滅しても、直ちに養育費の支払義務が消えるものではありません。養育費の支払いは、子どもの扶養の必要性から導かれるものだからです。ただし、現実の離婚現場では、養育費支払拒絶が増える可能性もあるので、家裁裁判官が当事者に教えるほか、周知徹底していく必要性も指摘されています(ジュリスト1392号・155頁参照)。
Q5 18歳、19歳の取引に影響はありますか?
A5 民法5条は1項で「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。」とし、同条2項で「前項の規定に反する行為は、取り消すことができる」と定めています。成年年齢を引き下げることによって、18歳・19歳の無条件の取消権がなくなることになります。
Q6 その結果、消費者被害は拡大しませんか?
A6 国民生活センターの資料によると、18歳・19歳は、訪問販売・電話勧誘販売の被害を多く受けています。またマルチ商法の被害も指摘されています。したがって、成年年齢の引き下げによる消費者被害の拡大が懸念されているところで、最終報告書も、消費者被害を避けるための条件整備を求めています。
Q7 少年法の適用もなくなり刑法が適用されるのですか?
A7 未熟な若者に社会参加を即して国づくりの中心であることを期待することと(A2参照)、要保護性が高く非行を犯してしまった18歳・19歳の処遇まで、一律に成人として刑法を適用することは連動しません。この点最終報告書も、「民法の成年年齢の引下げは、未成年者飲酒禁止法や少年法等の年齢の引下げを含意するものではない」と明示しているとおりです。
Q8 結局、成年年齢の引き下げはどれ位の法律に影響するのですか?
A8 検討すべき対象は法律191、政令40、府省令77の計308法令と指摘されています。民主党が2008年7月22日に公表した「成年年齢に関する論点整理」においても若干の検討が加えられています。
Q9 諸外国の成年年齢はどうなっていますか?
A9 以前の記事を参照ください。
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