A証人B証人(裁判史上初)
7月7日、椿証人、衣笠証人の反対尋問が実施されました。
午後の衣笠証人の反対尋問では、国の訟務検事の田中健司氏が反対尋問。田中氏は、1年目の弁護士のような「ど素人尋問」を連発。原告側から異議を連発されました。それに対して、「尋問妨害だ」などと口走り、裁判所から制止される一幕も。この田中氏は、大阪の裁判官から判検交流で、現在、福岡の訟務検事(国の代理人)をしている人。「こんな人が裁判官だったなんて信じられない」とは、傍聴していた支援者の声。裁判官、訟務検事としてということを越えて、法曹としての資質が疑われる人でした。
引き続き実施された進行協議。
前回期日の約束では、本日、国側の立証計画を明らかにする予定でした。
それに対して、なんと国の提出した書面には「産科分野専門家 A証人」 「肝臓分野専門家 B証人」 「臨床薬理学分野専門家 C証人」などと記載。
これでは証拠調べ決定もできません。原告側のクレームに裁判所も同調し、「これはどういうことですか」「どうして名前を明らかにできないのですか」と強く訴訟指揮するものの、国側訟務検事は、後ろ側に座る厚生労働省の役人の意向をうかがい、「とにかく今日は名前は明らかにできません」。
国側の不誠実な、法廷侮辱ともいえる態度で、進行協議は予定時間を大幅に超えて1時間ちかく実施されることに。
結局、国側は、1週間後にA証人、B証人の名前を明らかにするとともに、8月12日にあらためて進行協議が行われることになりました。
このような厚生労働省の態度、そして役人の顔をうかがう訟務検事、素人尋問を繰り返し、反対尋問を空転させる裁判官出身の訟務検事、こんなことで「司法制度改革」がすすむなど考えられません。
裁判終了後の、報告集会は、学生と原告と詩を朗読して、心暖まるものでしたが、そのあいさつにたった八尋代表の「すばらしい集会をありがとうございます。一方、裁判の場の国の態度だけが、お粗末なもので、『司法の恥部』をお見せしてしまいました。司法を国民の手に取り戻すためにも、皆さんの力添えをお願いします」の一言にすべてが凝縮されている1日でした。
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