20回目の薬害根絶フォーラムが開催、HPVワクチン被害の実態報告と薬機法改正の問題点と課題がテーマ
目次
20回目の薬害根絶フォーラムが開催
全国薬害被害者団体連絡協議会(薬被連)が2018年10月20日、薬害根絶フォーラムを東京医科歯科大学で開催します。
薬害根絶フォーラムも1999年以来、実に20回目の開催になります。昨年に福岡で初開催されて早くも1年が立ちました。
日時:2018年10月20日(土曜)13時30分から(開場13時)
場所:東京医科歯科大学(湯島キャンパス)歯科棟4階 特別講堂
東京都文京区湯島1-5-45
主催:薬被連
協賛:日本薬剤師会、日本病院薬剤師会、東京都薬剤師会、医薬品医療機器総合機構など
費用:入場無料(但し資料代500円)
事前申込:不要
薬被連とは
薬被連は、「薬害根絶」を目指して1999年10月22日、薬害被害者団体が結束して立ち上げた団体です(代表世話人・大阪HIV薬害訴訟原告団の花井十伍さん)。現在では、10薬害12団体が参加しています。
各団体から選任されている世話人は1~2か月に一度は集まって会議を行い、フォーラムの準備だけではなく、医学部・薬学部など薬害教育への講師派遣、厚労省や医薬品医療機器総合機構への申し入れ、薬害根絶デーの開催、文部科学省との交渉、各薬害裁判の傍聴支援など年間通じて様々な活動を行っています。
例えば2017年9月26日・27日は、広島大学薬学部が開催している「薬害被害者との合同合宿勉強会」に薬被連として協力。HIV、C型肝炎、スモン、サリドマイド、MMRワクチン、ヤコブ、陣痛促進剤の被害者と学生さんが2日間に渡って活発な意見交換をしました。
広島大学薬学部は「勉強会を通し、薬害の発生を防ぐためにどのように考え行動するか、学生が提案し、薬学にたずさわる者としての足場を固めていきます」と位置づけ、薬学科は全員参加としています。
この薬被連の加盟団体は以下の通りです。
薬害肝炎訴訟原告団
大阪HIV薬害訴訟原告団
東京HIV訴訟原告団
公益社団法人いしずえ(サリドマイド福祉センター)
MMR被害児を救援する会
スモンの会全国連絡協議会
京都スモン基金
薬害ヤコブ病被害者・弁護団全国連絡会議
陣痛促進剤による被害を考える会
薬害筋短縮症の会
イレッサ薬害被害者の会
HPVワクチン薬害訴訟全国原告団
薬害根絶フォーラムの歴史と意義
薬害根絶フォーラムは、薬被連が結成された翌日、1999年10月23に第1回を開催して、声明を発表しました。
その後は、毎年、その時々のトピックを取り上げてフォーラムを開催してきているものです。
1999年の記念すべき声明は以下の通りです。
21世紀を迎えようとする今日、医薬品や医療の領域における国際化、高度化には、さらなる拍車がかかっている。このような現状については、国民の生活や健康に寄与する部分ばかりが強調され、ともすれば無批判な礼賛によって流されかねない。
しかし、かつてサリドマイド、スモン、HIV等多くの悲惨な薬害が引き起こされた歴史を抱えながら、現在もなお、ソリブジン、医原性CJDなど同様の薬害が繰り返される構造は何ら変わっていない。いや、むしろ更なる薬害惹起の危険性は増しつつあるとさえ言える。私たち薬害被害者団体は、自らの筆舌に尽くしがたい苦痛に満ちた薬害被害の体験を踏まえつつ、「薬害根絶」を念願し、それぞれに活動を行ってきた。薬害被害者は、厳しい被害に遭いながらも、決して、ただ悲嘆に明け暮れる道を選ぶことはなかった。それぞれの悲しみ、怒り、思いを「薬害根絶」実現の闘いに結集してきたのである。
本日、「薬害根絶」へ向けての願いは、団体の枠を越え、様々な被害の在り方の相違や世代の相違を越えて一つとなった。そして、全国薬害被害者団体連絡協議会への結集と薬害根絶フォーラムの開催は、全ての人々が有効で安全な医薬品の恩恵と医療サービスを享受することのできる社会の実現に向けた確実な第一歩となることは間違いない。
これを機として、以下の声明を発表する。一、国・製薬企業は、薬害発生の原因究明に全力を尽くし、その経緯を徹底して分析・検証せよ。
一、国・製薬企業は、医薬品が国民の健康と命を守るために提供されていることを再認識したうえで、徹底した情報開示を行え。
一、国・製薬企業は、私たちの被った被害の教訓を生かした薬害防止システムを早急に構築せよ。
一、国は、副作用被害者全てを対象とする無過失救済システムを創設せよ。
一、国は、「薬害根絶」へ向けて薬害発生の教訓を学校教育に反映させ、次世代のための糧とせよ。私たち全国薬害被害者団体連絡協議会は、「薬害根絶」を実現するべく、一致団結し、薬害防止システムを創出すべく、研究、提言、その他の活動に日々全力で取り組む。
記念すべき20回目の薬害根絶フォーラムの内容
20回目という節目の2018年の薬害根絶フォーラムは、第1部薬害被害の実態報告として薬害HPVワクチン被害を取り上げます。「特集HPVワクチン薬害」として薬害被害者が被害を訴えます。
続く第2部は徹底討論として、薬の承認制度を知ることを目的に「薬機法改正の問題点と課題」をテーマにする予定です。
各団体への呼びかけ
現在、薬被連の皆さんが様々な団体・個人に参加を呼びかけているところです。昨年に続いて九州・沖縄・山口地区からも薬害被害者として、薬害肝炎原告、HPVワクチン原告が参加予定です。
昨年度は、私も地元福岡開催ということから、薬害肝炎九州弁護団事務局長として薬被連世話人の原告手嶋和美さん達と一緒に呼びかけを行いました。
(写真は、2017年9月27日、MMRの栗原敦さんが来福したのに合わせて、HPV薬害被害者のお母さんである梅本邦子さん、スモンの草場佳枝さん、そして手嶋さんと一緒に福岡地方裁判所内の記者クラブにて会見を行った時の一コマです)。
過去の薬害の教訓に学び、現在進行形の薬害を理解し、そして薬事行政に反映させて将来の薬害が発生しないように共有・連帯する機会。
ぜひ皆さんも周りの方々に声をかけて一緒にご参加下さい。