古賀克重法律事務所ブログ

福岡県弁護士会所属弁護士 古賀克重(こが かつしげ)の活動ブログです。

薬害肝炎

肝炎基本法制定を求めるキャンペーン・福岡

 薬害C型肝炎九州原告団とB型肝炎九州原告団が共同で、21年1月16日、福岡市天神の三越前で肝炎基本法制定を求める街宣行動を行いました。薬害肝炎原告団からは、山口美智子さん、出田妙子さん、小林邦丘さん、藤原和子さん、吉田かよ子さん、河内昌子さんほか匿名原告・そのご家族が、B型肝炎原告団からは、窪山寛さん、梁井朱美さん、榊原俊之さんが参加。

肝炎基本法制定を求めるキャンペーン・福岡

 山口さんは、「本当にもう待てない肝炎患者さんがたくさんいます。待ったなしなんです。どうして和解した私たち原告がまだこうやって街頭に立つのか。肝炎問題はまだ終わっていないんです」と訴えました。
 B肝原告団の窪山寛さんは、「今、私は肝臓癌です。3度目の癌が見つかりました。私の経験からお伝えできるのは、こうやって通行している皆さん方にも肝炎の可能性があるということです。癌が見つかった時では遅いんです。手遅れなんです。ぜひ検査してください。そして治療をしてください」と声を張り上げました。

 B型C型問わず、感染原因を問わず、日本の肝炎患者数は350万人以上と推定されます。日本に蔓延した肝炎が「第2の国民病」と言われる由縁です。

 このウイルス性肝炎患者の多くは医療の犠牲であること(医原病)、諸外国に比べても肝炎患者数が多いことは、国の政策(血液行政、感染症対策)の誤りというほかありません(そのうち、「予防接種によるB型肝炎感染」は国の責任であることが最高裁判決で確定し、「血液製剤によるC型肝炎」も、国の責任(薬害)であることが法律に明記されています)。

 この点、国は、平成20年度から「新しい肝炎総合対策」(7か年計画)を開始しました。しかし法律の責務ではなく予算措置であることから、検査態勢・治療体制の整備は地方自治体任せになっています。そのため、都道府県によって施策格差が生じています。この都道府県による格差の存在は、厚生労働省の調査によっても明らかになっていますし、薬害肝炎九州原告団も、九州沖縄山口の全行政を周り、ヒアリングを実施して確認しています。

 格差のない肝炎対策を全国一律に実現するためには、国・行政の責務を定めた「肝炎対策基本法(肝炎患者支援法)」の制定が必要不可欠というべきなのです。
 薬害肝炎原告団、B型肝炎原告団、そして患者団体(日本肝臓病患者団体協議会)は、肝炎対策基本法制定のための全国キャンペーンを展開中です。

投稿者プロフィール

弁護士 古賀克重
弁護士 古賀克重弁護士
弁護士古賀克重です。1995年に弁護士登録以来、患者側として医療過誤を取り扱っています。薬害C型肝炎訴訟の弁護団事務局長として2008年の全面解決を勝ち取りました。交通事故も幅広く手掛けており、取扱った裁判が多数の判例集で紹介されています。ブログではその主たる取扱い分野である医療過誤・交通事故について、有益な情報を提供しています。

弁護士 古賀克重

弁護士古賀克重です。1995年に弁護士登録以来、患者側として医療過誤を取り扱っています。薬害C型肝炎訴訟の弁護団事務局長として2008年の全面解決を勝ち取りました。交通事故も幅広く手掛けており、取扱った裁判が多数の判例集で紹介されています。ブログではその主たる取扱い分野である医療過誤・交通事故について、有益な情報を提供しています。