薬害C型肝炎418例リスト問題で厚労省会見
本日10時30分から厚生労働省が緊急記者会見を開始しました。その会見内容を速報します。
まず、注目すべきは、418リストの中の薬害肝炎訴訟原告との関係についても触れている点です。
原告である可能性高いのは実に9名にのぼるようです。
しかもその内2例については、国が裁判の中で投与の事実を争っていたことを認めました。これは418リストを精査すれば、もしくは、田辺三菱製薬に対して指導すれば、投与の事実は判明したにもかかわらず、そのような作業をせずに、漫然裁判所を騙し、原告を騙そうとしたことを意味し、極めて悪質な訴訟活動です。
次に、2002年当時、厚生労働省は既に、田辺三菱製薬(当時三菱ウエルファーマ)からマスキングした資料だけではなく、マスキングしていない資料の2種類を受領していたことを認めました。
ということは、厚生労働省は2002年時点で、すべての患者さんのイニシャルを把握していたことになります。
そして、マスキングなしの書類と418例を照合したところ、165例について突き合わせができ、実名の記載があったもの2例、イニシャルの記載があったもの116例、氏名の記載がないもの47例、住所情報で詳しいのは市名まであって、医療機関が特定できるのは24例に及ぶことが判明しました。
なお、今朝の読売新聞が報じましたが、国は20年前から患者情報を把握していたはずです。その点については詳しい言及はないようです。しかしながら5年前からではなく、20年前から把握していたはずであり、この点についての責任追及が必要です。
薬害肝炎の疑いが強いとして、製薬会社が2002年に厚生労働省に報告した418人分の匿名の症例一覧表のうち、約3分の1については、患者のイニシャルや医療機関名など詳細を記した個別の副作用報告書が同省に提出されていたことが判明した。
古いものは1987年に提出されており、同省は、患者特定につながる情報を持ちながら20年にわたり、製薬会社に対し、本人への告知を指示するなど適切な対応を取っていなかったことになる。
副作用報告書は、止血剤として血液製剤「フィブリノゲン」を投与され、C型肝炎に感染したと見られる症例について、旧ミドリ十字(三菱ウェルファーマを経て現田辺三菱製薬)が医療機関から情報を得て、1987~2002年に同省に提出したもので、計144人分に上る。
このうちの73人分は、87年に青森県で妊婦8人の集団感染が発覚したのを機に、同省の提出指示を受けて出されたもの。この中の61人分については、87年中に同省に報告されていた。
このほか、薬事法に基づく副作用報告などによって同省に提出されたものが、87年指示に基づく報告との重複者も含め、計88人分あった。このうちのほとんどは、同法で副作用報告が義務付けられた97年以降に提出されたものだった。
報告書の形式は様々だが、多くは患者のイニシャルや性別、年齢、医療機関の所在地などの記入欄があるほか、実名や医師名が記されているものもあり、製薬会社や医療機関を通して患者本人にたどり着くことが可能とみられる。一覧表の患者は、肝炎の症状が薬害によるものと知らずにいる可能性があるが、同省は製薬会社に対し、患者に事実を告知するよう指導していなかった。
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